subst.exe

subst.exeは任意のパスを仮想ドライブに割り当てるWindowsコマンドです。たとえば、C:\Users\tsuka\Documents を F: に割り当てると、マイドキュメントを F: としてアクセスできます。この記事では、subst.exeの使い方をご紹介します。

現在の仮想ドライブ一覧を表示する

現在の仮想ドライブ一覧を表示するには、引数やオプションを指定せずに subst.exe を実行する。

SUBST

パスを仮想ドライブに割り当てる

パスを仮想ドライブに割り当てるには、割り当てる仮想ドライブとパスを指定して subst.exe を実行する。

SUBST drive1: path
SUBST drive1: drive2:path
drive1:
パスを割り当てる仮想ドライブを指定する。既に使用されているドライブは指定できない。
drive2:
パスの物理ドライブを指定する。パスが現在の物理ドライブの場合は省略できる。
path
仮想ドライブに割り当てるパスを指定する。UNCで指定することもできる。

置換した仮想ドライブを削除する

割り当てた仮想ドライブを削除するには、/D オプションを指定して subst.exe を実行する。

SUBST drive: /D
drive
削除する仮想ドライブを指定する。

C:\> SUBST F: \\172.31.0.31\shared

C:\> SUBST
F:\: => UNC\172.31.0.31\shared

C:\> SUBST F /D

C:\> SUBST

C:\>

永続化

SUBSTで割り当てた仮想ドライブは、Windowsをログオフまたは再起動すると、割り当てが解除される。

仮想ドライブの割り当てを永続化するには、次に示す方法がある。

スタートアップフォルダにバッチファイルを配置する

仮想ドライブを割り当てるバッチファイル(*.bat)を作成する。

SUBST D: "C:\Users\tsuka\Documents"

作成したバッチファイルをスタートアップフォルダに配置する。

スタートアップフォルダはWindowsのバージョンにより異なる。エクスプローラに「shell:startup」と入力してEnterキーを押すと、スタートアップフォルダを開くことができる。

Windows 10 スタートアップフォルダの例: C:\Users\tsuka\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup

Windowsにログインすると、スタートアップフォルダに配置されたバッチファイルが自動的に実行されるので、仮想ドライブが割り当てられる。

厳密に言えば永続化ではないが、ログインするたびに仮想ドライブの割り当てが行われるので、ログインする度に仮想ドライブの割り当てを行う必要は無くなる。

レジストリを編集する

レジストリの内容を編集するレジストリファイル(*.reg)を作成する。

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\DOS Devices]
"D:"="\\??\\C:\\Users\\tsuka\\Documents"

レジストリファイルを実行すると、レジストリが編集される。

レジストリ編集後は、SUBSTコマンドによる稼働ドライブの割り当てが永続化される。

SUBSTとNET USEの違い

SUBSTで割り当てた仮想ドライブは、Windowsをログオフまたは再起動すると、割り当てが解除される。

NET USEで割り当てた仮想ドライブは、Windowsをログオフまたは再起動しても、割り当てが維持される。

SUBSTはパスをドライブに割り当てるため、ローカルおよびネットワーク共に割り当て可能である。

SUBST D: C:\Users\tsuka\Documents
SUBST D: \\192.168.0.1\shared

NET USEは共有リソースをドライブに割り当てるため、ネットワークのみ可能である。

NET USE D: \\192.168.0.1\shared password /user:tsuka