HIPO (Hierarchy plus Input Process Output)

HIPO (Hierarchy plus Input Process Output)とは、ソフトウェアの機能や処理を階層構造で表す設計書です。この記事では、HIPO図の意味や書き方を解説しています。

目次

  1. 1 HIPOとは
  2. 2 図式目次
  3. 3 IPOダイアグラム
    1. 3.1 処理
    2. 3.2 入力
    3. 3.3 出力
    4. 3.4 総括ダイアグラム
    5. 3.5 詳細ダイアグラム
  4. 4 JIS
  5. 5 ISO

1 HIPOとは

Hierarchy plus Input Process Output の略。システム設計における図式化手法のひとつ。「図式目次」と「IPOダイアグラム」の2つから構成される。機能の階層(Hierarchy)を図式目次に記述し、図式目次の各機能ごとに入力(Input)、処理(Process)、出力(Output)の関係をIPOダイアグラムに記述する。

2 図式目次

HIPOにおける図式目次とは、システムの機能を階層構造で表した樹形図であり、VTOC (visual table of contents) とも呼ばれる。個々の機能は、さらにIPOダイアグラムで表わされる。

HIPO VTOC
Figure 1. HIPO VTOC

各機能は、対応するIPOダイアグラムや階層を表すために、番号が付けられることが多い。ただし、番号の付け方に決まりは無い。

3 IPOダイアグラム

HIPOにおけるIPOダイアグラムとは、図式目次の各機能ごとに入力(Input)、処理(Process)、出力(Output)の関係を表わした図である。「総括ダイアグラム」と「詳細ダイアグラム」という2段階の粒度に分けて作成されることが多い。

3.1 処理

処理の流れを箇条書きの自然言語で記述する。制御構造を矢印で表すこともある。条件分岐、繰り返し、ジャンプ及びサブルーチン呼び出し等の記述方法はとくに決まっていない。

3.2 入力

処理の入力データを記載する。主記憶装置、外部記憶装置およびキーボード等、データの入力元となる媒体を記号で表わすこともある。媒体の記号はHIPO (Hierarchy plus Input Process Output) では定義していないため、フローチャートの記号を流用することが多い。データの流れを矢印で表すこともある。

3.3 出力

処理の出力データを記載する。主記憶装置、外部記憶装置およびディスプレイ等、データの出力先となる媒体を記号で表わすこともある。媒体の記号はHIPO (Hierarchy plus Input Process Output) では定義していないため、フローチャートの記号を流用することが多い。データの流れを矢印で表すこともある。

3.4 総括ダイアグラム

総括ダイアグラムとは、ソフトウェア又はシステム全体の入力、処理及び出力を表現した図である。総括ダイアグラムにおける各「処理」は、詳細ダイアグラムにて別途その処理、入力および出力を定義することがある。

HIPO IPO 総括ダイアグラム
Figure 2. HIPO IPO 総括ダイアグラム

3.5 詳細ダイアグラム

詳細ダイアグラムとは、全体を構成する機能ごとの入力、処理及び出力を表現した図である。

HIPO IPO 詳細ダイアグラム
Figure 3. HIPO IPO 詳細ダイアグラム

4 JIS

HIPO (Hierarchy plus Input Process Output) は JIS (Japanese Industrial Standards, 日本産業規格) で規格化されていない。

5 ISO

HIPO (Hierarchy plus Input Process Output) は ISO (International Organization for Standardization, 国際標準化機構) で規格化されていない。