juliaup

juliaup は Julia のバージョン管理ツールである。juliaup を使えば、特定のバージョンの Julia をインストールしたり、新しいバージョンの Julia がリリースされたときにユーザーに警告を出したり、便利な Julia リリースチャネルの抽象化を提供したりすることができる。

目次

  1. 使い方
  2. 引数
  3. オプション
  4. 参考文献

使い方

jualiaup [ command ]

引数

引数を省略した場合、どんなコマンドを指定できるかを表示する。

$ juliaup
The Julia Version Manager

Usage: juliaup <COMMAND>

Commands:
  default      Set the default Julia version
  add          Add a specific Julia version or channel to your system. Access via `julia +{channel}` e.g. `julia +1.6`
  link         Link an existing Julia binary to a custom channel name
  list         List all available channels
  override     Manage directory overrides
  update       Update all or a specific channel to the latest Julia version
  remove       Remove a Julia version from your system
  status       Show all installed Julia versions
  gc           Garbage collect uninstalled Julia versions
  config       Juliaup configuration
  self         Manage this juliaup installation
  completions  Generate tab-completion scripts for your shell
  help         Print this message or the help of the given subcommand(s)

Options:
  -h, --help     Print help
  -V, --version  Print version

To launch a specific Julia version, use `julia +{channel}` e.g. `julia +1.6`.
Entering just `julia` uses the default channel set via `juliaup default`.

引数 command には以下に示すコマンドを指定できる。

list
利用可能なすべてのチャンネルを表示する。
$ juliaup list
 Channel              Version                         
------------------------------------------------------
 0                    0.7.0+0.x64.linux.gnu           
 0.3                  0.3.12+0.x64.linux.gnu          
 0.3.1                0.3.1+0.x64.linux.gnu           
 0.3.1~x64            0.3.1+0.x64.linux.gnu           
 0.3.1~x86            0.3.1+0.x86.linux.gnu 
      
update
すべてのチャンネルに最新の Julia バージョンをインストールする。
$ juliaup update
Updating channel release
Installing Julia 1.11.1+0.x64.linux.gnu
update release
リリースチャンネルを最新バージョンに更新する
status
インストールされている Julia のバージョンと、デフォルトとして設定されているバージョンを表示する。
$ juliaup status
 Default  Channel  Version                 Update
--------------------------------------------------------------------------------------
       *  release  1.10.5+0.x64.linux.gnu  Update to 1.11.1+0.x64.linux.gnu available
add 1.11.1
Julia 1.11.1 をシステムに追加する。その後、julia +1.5.1 コマンドで起動できる。
default 1.11.1
juliaコマンドがJulia 1.11.1 を起動するように設定する。
default 1.11
システムにインストールされている最新の 1.11.x バージョンの Julia を起動するように julia コマンドを設定する。そして、1.11.x の新しいバージョンが利用可能な場合はそれを通知する。
default release
最新の安定版 Julia を起動するように julia コマンドを設定する。これはデフォルト値でもある。
remove 1.11.1
システムから Julia 1.11.1 を削除する。
add 1.11.1~x86
32ビット版の Julia 1.11.1 をインストールする。
default 1.11~x86
システムにインストールされている最新の 1.11.x 32ビット版の Julia を起動するように julia コマンドを設定する。
link dev ~/juliasrc/julia
~/juliasrc/julia にあるバイナリを使うように dev チャンネルを設定する。dev チャンネルはシステムから提供されたチャンネルと同じように使うことができる。dev 以外の名前も使えるし、いくつでも juliaup にリンクできる。
self update
新しいリリースがベータ・チャンネルに到達した場合などに必要となる。
self uninstall
Juliaup をアンインストールする。プラットフォームによってはこのコマンドが使えないので、そのような場合はプラットフォーム固有の方法で Juliaup をアンインストールする必要がある。
override status
設定されたすべてのディレクトリのオーバーライドを表示する。
override set lts
現在の作業ディレクトリのディレクトリオーバーライドを lts チャンネルに設定する。
override unset
現在の作業ディレクトリのディレクトリオーバーライドを削除する。
override set --path foo/bar lts
パス foo/bar のディレクトリオーバーライドを lts チャンネルに設定する。
override unset --path foo/bar
パスfoo/barのディレクトリオーバーライドを削除する。
override unset --nonexistent
存在しなくなったパスのすべてのディレクトリオーバーライドを削除する。
completions bash > ~/.local/share/bash-completion/completions/juliaup
juliaup 用の Bash 補完を生成し、ファイルに保存します。使用するには、このファイルを ~/.bashrc にコピーするだけだ。他にサポートされているシェルは zsh、fish、elvish、powershell です。

オプション

juliaup コマンドには、以下に示すコマンドオプションを指定できる。

-h
ヘルプを表示する。
--help
ヘルプを表示する。
-V
バージョンを表示する。
--version
バージョンを表示する。

参考文献

David Anthoff (2023) juliaup