UML ユースケース図

UMLのユースケース図は、システムが提供する機能を表現するために使用される。

サンプル

ユースケース図
Figure 1. Use case

ユースケース

ユースケースとは、アクターにとって重要な価値をもたらすアクションのセットであり、システムによって実行される。ユースケースは、楕円形と名前で表す。

ユースケース
Figure 2. Use case

アクター

アクターとは、サブジェクトとの相互作用において、ある役割を果たす人物または外部システムである。アクターは、人型のアイコンと名前で表す。

actor
Fig. 3. Actor

人型ではないアイコンを使用することもできる。この場合、アクターの種類を意味するアイコンを使うことが多い。

actor
Fig. 4. Actor

アイコンではなく、長方形でアクターを表すこともできる。この場合、<<actor>> というキーワードを付ける。

actor
Fig. 5. Actor

関係

アクターとユースケースの関係(relationship)は、実線で表す。

relationship
Figure 6. Relationship

包含関係

包含関係(include relationship)は、あるユースケースが他のユースケースで定義された振る舞いを含んでいることを表す。ユースケース間の拡張関係は、破線の矢印で表す。矢印には <<include>> キーワードを付ける。

包含関係
Figure 7. Include relationship

拡張関係

ユースケース間の拡張関係(extend relationship)は、破線の矢印で表す。矢印には <<extend>> キーワードを付ける。

拡張関係
Figure 8. Extend relationship

サブジェクト

UMLユースケース図のサブジェクトとは、要件を分析するために、何らかの振る舞いを持つ業務、ソフトウェアシステム、物理システムなどを表現した類別子であり、システム境界とも呼ばれる。サブジェクトの書き方は、サブジェクト名を付けた長方形で表される。

サブジェクト
Figure 9. Subject

サブジェクト名にはステレオタイプを付けることができる。UMLは標準ステレオタイプを提供していないので、ステレオタイプは独自の名前を付けることになる。参考までに、UMLのユースケース図で使えるステレオタイプの例を示す。

ステレオタイプ 説明
<<business>> 業務を表す。
<<subsystem>> サブシステムを表す。
<<component> コンポーネントを表す。

参考文献

OMG (2017) OMG Unified Modeling Language