UMLのユースケース図は、システムが提供する機能を表現するために使用される。
ユースケースとは、アクターにとって重要な価値をもたらすアクションのセットであり、システムによって実行される。ユースケースは、楕円形と名前で表す。
アクターとは、サブジェクトとの相互作用において、ある役割を果たす人物または外部システムである。アクターは、人型のアイコンと名前で表す。
人型ではないアイコンを使用することもできる。この場合、アクターの種類を意味するアイコンを使うことが多い。
アイコンではなく、長方形でアクターを表すこともできる。この場合、<<actor>> というキーワードを付ける。
アクターとユースケースの関係(relationship)は、実線で表す。
包含関係(include relationship)は、あるユースケースが他のユースケースで定義された振る舞いを含んでいることを表す。ユースケース間の拡張関係は、破線の矢印で表す。矢印には <<include>> キーワードを付ける。
ユースケース間の拡張関係(extend relationship)は、破線の矢印で表す。矢印には <<extend>> キーワードを付ける。
UMLユースケース図のサブジェクトとは、要件を分析するために、何らかの振る舞いを持つ業務、ソフトウェアシステム、物理システムなどを表現した類別子であり、システム境界とも呼ばれる。サブジェクトの書き方は、サブジェクト名を付けた長方形で表される。
サブジェクト名にはステレオタイプを付けることができる。UMLは標準ステレオタイプを提供していないので、ステレオタイプは独自の名前を付けることになる。参考までに、UMLのユースケース図で使えるステレオタイプの例を示す。
ステレオタイプ | 説明 |
---|---|
<<business>> | 業務を表す。 |
<<subsystem>> | サブシステムを表す。 |
<<component> | コンポーネントを表す。 |
OMG (2017) OMG Unified Modeling Language